私は2022年に、妊娠13週で赤ちゃんを流産しました。
その当時、お恥ずかしながら水子供養というものに対する知識が浅く、どういった方法で赤ちゃんを供養すれば良いのか、とても迷いました。
今回は、その時のことを思い出しながら、実際に私が準備した物やお布施の金額について、ありのままのことを記録しておきたいと思います。
初めに私がしたこと【お仏壇準備】
無宗教の我が家は、自宅に仏壇や神棚などを置いていませんでした。
なので、流産手術を終えて家に帰ってきたとき、「赤ちゃんの幸せをお祈りする場所がほしい」と夫に相談をしました。
また、日常生活を送るなかで

今日はこんなことがあったよ。

そっちでは元気に暮らしてる?
など、気軽に語りかけることができれば良いな……とも思いました。
最終的に、私たちは「ミニ仏具のセット」を購入しました。

こちらは当時、楽天市場で5千円で購入しました。常時生花を用意するのは難しかったので、造花のお花もついていて、大変助かりました。
(残念ながら、こちらの商品は在庫がなくなってしまったようで、現在同じ物は販売されていません。)
仏具のお値段ですが、デザインにこだわるほど高額になり、私が探した時は、1万円~3万円くらいのものが多かった印象です。
良い物を選んであげたいけれど、これからの不妊治療に予算も必要だったので、自分が納得できる範囲の物で、折り合いをつけるように気をつけました。
・「ミニ」仏具や、「ガラス」などで検索
・仏具を置く台は、積み重ねできる日常使いのボックスを購入
- 「ミニ仏具」で検索すると出てくる例

- 「ガラス」などで検索すると出る例

- 楽天で買った仏具を置く用の台↓
私たちが選んだのは、「扉つきオーク」です。この中に、お線香やローソク、赤ちゃんのエコー写真などを収納しています。

高価な物でなくても、「何か用意してあげたい」という気持ちで十分だと思います。
「ミニ仏具」や「ガラス」という検索ワードで探すと、良いデザインや1万円以内に収まる品がいくつか見つかったように思うので、よければ参考にしてみてくださいね。
また、私がほかにもいくつか商品を買わせて頂いたのは、手元供養のディアファミリーさんです。
届いた商品には、真心あふれるメッセージをつけてくださっており、心が和らぎました。
水子地蔵
写真中央の、水子地蔵は別売りになります。

モニュメントのようなものがあった方が、お祈りをしやすいと思い購入しました。

お祈りをする際には、目線が自然とお地蔵様に抱かれている赤ちゃんの方に行くので、私としては話しかけやすい感じがして、とても好きでした。
後述する、お寺での水子供養の際にも持って行き、供養中はしっかりと私の手の中で和尚さんの話しを聞いていました。
お線香【子ども向けの品】
赤ちゃんのために、お菓子のような甘い香りのするお線香を選んであげたいと思い、3種類ほど購入しました。

それぞれ微妙に香りが違うので、当日・朝の気分によってお線香を変えて、自分自身の気分転換としても良かったと思います。

また、後日妹が「赤ちゃんのために」と言って、好物ローソクを買ってきてくれたのも嬉しかったです。

好物ローソクは、個人の好きだったものをろうそくに見立てている商品で、ほかにもケーキやビール、どら焼き、お寿司など、様々な商品があります。
こういった可愛らしい商品でお仏壇周りを彩るのも、赤ちゃん、そしてお母さんにとっても癒しになるのではないでしょうか。

お寺での水子供養
買い揃えた仏具でしばらく自宅でのお祈りを続けていましたが、数週間後、私の体調と準備が整ったので、お寺での水子供養に行ってきました。
お寺はどこが良い?
私たちは転勤族のため、今住んでいる県からはゆくゆく離れるだろうということで、私の実家のお寺さんで供養をすることにしました。
・どのくらいの頻度でお参りをしたいか
・水子供養を受け付けてくれるか
・お寺の雰囲気をHPで確認
当時私たちが住んでいた市にも、水子供養をしてくださるお寺はありましたが、私が重視したのは「ご縁」と「安心感」でした。
- 祖父が眠っているお寺
- 和尚さんが穏やかですてきなお人柄
- 普段のお参りは祖母と母に任せられる
こういった理由があり、当時住んでいたアパートからは車で2時間程度と少し離れていましたが、実家近くのお寺を選びました。

自分の直感を信じるのが良いと思います。
予約方法とお布施の金額
私は、母経由で和尚さんに連絡をお願いしました。
その後、和尚さんからEメールで連絡をいただき、事前にいくつかの質問にお答えしました。
・夫婦の名前と年齢
・胎児の性別
赤ちゃんの性別は、染色体検査の途中で当時まだ分からなかったので、そのまま「分かりません」ということでお伝えしました。
私たちの名前は、当日こちらの木札に書いてくださっていました。

お布施については、相場が全く分からなかったので母に相談しました。

心配しないで大丈夫!5千円 包んでおこうか。
少ないかな?と心配でしたが、そのままアドバイスの通り、5千円を包んで和尚さんにお渡ししました。
昔からの檀家で、祖母と母、和尚さんの間柄なのでこういったお布施の額になったのかもしれません。
あくまで我が家の一例、ということで見ていただければと思います。
当日の服装
季節は夏。良く晴れた暑い日の早朝でした。
祖母、母、夫、私の四人で和尚さんのいらっしゃるお寺へ出発。
全員服装は平服(半袖でしたが、下は長ズボン)で、いつもお墓参りに伺うときと同じ雰囲気で、お寺に到着しました。

和尚さんのお話し
当日法要が終わった後で、和尚さんが私たち夫婦の方を向いて、ゆっくりお話しをしてくださいました。
その時のお話しがとても印象に残っていて、メモを取ってあったので、そのままご紹介させていただきます。
本日は、遠いところから、はるばるよくお越しくださいましたね。
これからは、○○家(主人の実家)のご先祖様と、〇〇家(私の実家)のご先祖様が赤ちゃんを見守り、導いてくださるので何も心配は要りません。
お家で供養をしなくても大丈夫です。こちらで毎朝お経をあげますからね。全て任せください。
悪いことが起こると、人は何かに原因を求めてしまいます。水子が成仏できないせいで、悪いことが起きているのではないか、など気にすることがあるかもしれませんが、赤ちゃんがパパとママを恨むことは、絶対にありません。
パパとママが、幸せに、元気で暮らしていることを、ずっと見守っています。
まずはお母さん、体の回復に努めましょうね。
今回の赤ちゃんは、産まれてくることは叶いませんでしたが、ご縁があってやってきてくださったので、これからもあなた方ご夫婦のことを、ずっと見守ってくださいます。
和尚さんが何度も私たちに念押しをされたのは、
ということでした。
流産宣告を受けてから、誰のせいでもないと頭では分かっていても、家族に励ましてもらっても、心の底ではずっと悲しく、不安な気持ちでした。
しかし、和尚さんのお話しを聞いて、これから夫婦二人で、仲良く前を向いて生きていかねば、と強く強く思いました。
それが赤ちゃんへの最大の供養に繋がり、赤ちゃん自身も、きっと願ってくれていることだと改めて感じました。
親や夫に言われるのではなく、第三者である和尚さんが「断定」的な形でお話しをしてくださったので、不思議なまでに説得力があったように思います。
私の中で、この水子供養の日はとても大きな転換点になりました。
きっかけを与えてくださった和尚さんには、とても感謝しています。
もし流産後になかなかメンタルが元に戻らない……という方がいらっしゃれば、家族以外の第三者に自己開示する、話しを聞いてもらい多角的な意見をもらう、という方法も良いと思います。
最後に…特別な物は何も必要ない
いろいろと書いてきましたが、水子供養の際に、和尚さんが言ってくださった、
この言葉は、後々私の大きな救いになりました。
だんだんと日常生活が戻るにつれ、仕事を始め、引っ越しをし……、お仏壇の前に座れない日もありました。
しかし、そのような日があっても気に病まず、赤ちゃんは私たちのご先祖様に守られているし、私たち夫婦が元気で過ごしていればきっと喜んでくれている、と思えるようになりました。
もちろん、時には気分が落ち込む日もあったので、お仏壇の前に座ってお線香やローソクをつけながら、ぼーっと過ごす日もあったりなかったり……。
赤ちゃんのためと思って様々な商品を購入しましたが、結局は自分のメンタルヘルスのためにもなったような気がします。
流産から三年経ってやっと思うのが、仏具を買ったり、水子供養に行ったりすることは、必ずしも全員にとって必要ではないということです。

グリーフケアのやり方は人それぞれ
私は、流産に気づけず赤ちゃんに苦しい思いをさせてしまったと考えていたので、いろいろな物を購入することで、赤ちゃんへの贖罪の気持ちがあったのかもしれません。
しかし、買い揃えた品物や供養に行ったおかげで、後々大切な気づきを得ることができたので、全くの無駄ではなかったと思っています。
何かをしてあげたい、祈ってあげたい、その気持ちだけで、本来は十分だと思います。

まずは、お身体を大切にしてくださいね
それでもやっぱり何か用意をしたい、そう思った際には、今回の投稿が少しでも良い情報になればと思います。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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